2007年06月15日

夢十夜

夏目漱石の夢十夜を読んで思い出したことがある。自分が子供の頃に見た夢だ。
小学校の低学年の頃の夢だと思う。

僕は洋装の喪服を着た母に手を引かれて薄暗いコンクリートの階段を上がった。
階段を登り切った場所に亡くなった筈の曾祖父がいた。
その姿は異様だった。
座禅を組んでいる曾祖父は衣服など着けておらず、全身が赤くなった炭の様に燃えていた。その身体は以前の曾祖父と違って筋肉質の体躯だ。
僕は曾祖父のその姿がとても怖くて母の後ろに隠れた。
赤く燃える曾祖父の傍らにマイクを持った芸人風の男が立っている。大きな蝶ネクタイをしてラメ入りのジャケットを着た男は、曾祖父を指差して語っていた。
「長年の研究の末に死者を蘇らせることに成功しました!」
その研究成果を見届ける観客は母と僕だけだ。
「どうです、凄いでしょう奥さん!」
男は母に語りかける。
「それではご覧下さい!」
男の合図と共に曾祖父が立ち上がる。
全身から赤い炎が吹き上がる。
「行け!」
男が叫ぶと曾祖父が走り出した。
「坊や、窓の外を見てご覧」
男にうながされて見ると遠くの坂道を真っ赤な炎が駆けてゆく姿が見えた。
僕は曾祖父が何か罰を受けているのだろうと思った。

網野成保の単行本「リアリティー」に夢十夜の一部が抜粋されて漫画化されたものが収録されてます。機会があったら読んでみるといいでしょう。
posted by 猫柳まんぼ at 19:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文
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